
租税法とは何か?租税裁判とはなにか?その7
前回まで、租税裁判の一連の流れと、基本的な考え方をお話してきましたがこのシリーズの最後として、今日は裁判の結果、「判例」の位置づけについて整理しておきます。
租税裁判の判例の位置づけ
裁判所の判決により示された法律判断を判例といいますが、日本の法体系は欧米と異なり、成文法を基本としているため、判例はある特定の事件についての裁判所の判断となり、普遍的に法的拘束力を持つものではありません。そして、上級裁判所が下級裁判所を判例によって拘束することもありません。
しかし、類似事件について、同様の判断が積み重なれば、判例は法令の解釈を補うようになり、一定の間接的な拘束力を持つようになります。
よって、死亡保険金を年金形式で受け取った場合の相続税と所得税の二重課税に関する平成22年最高裁の判決は、他の納税者の申告行為に直接拘束力を持つものではありませんが、財務大臣・財務省・国税庁が即座に対応し、他の納税者の類似ケースについても還付の手続きを受け付ける旨を公表したことにより、この判例が間接的に法的拘束力を持ったことになりました。
最後に
このシリーズでお伝えしたかったのは
租税裁判の手続きのながれ
と
租税裁判でしばしば争われる憲法や法律そのものの原則論
についてです。
参考になりましたでしょうか?
(了)







